日本の悲劇は判断力欠如の政治家たち

日本の悲劇は判断力欠如の政治家たち

 

人が生きていくのに大切なことの一つは判断力だ。政治も同じである。

能登地震の3時間後、19時の官房長官発表は、テレビで報道されていたことと同じ、気象庁の発表と同じだった。

発表では、現在調査中で20時から本部会議を開催すると発表していた。地震発生の3時間後も調査中で呑気に本部会議である。

既に自衛隊や救助隊の派遣指示の言葉はなかった

まさに判断力の劣化である。そこには日本の政治の貧しさが端的に現れていた。

震度7強。地震の規模、テレビで流された狭い範囲の映像を見ても、甚大な被害が出ているのは明白。能登は海と山と海岸沿いの道路と家、それと7強の震度を重ね合わせると、これまでの日本の震災経験から想定しても、どんな大被害になるか調査しなくても、本部会議をしなくてもわかる。それなのに発生3時間後でも首相や官房長官からは被害情報収集中の言葉しか聞かれない。

石川県知事は発生時東京にいて地元に帰る交通手段がないと言う。子供じゃないのだから発生後すぐにヘリコプターを手配するか、自衛隊の協力を要請するか、発生30分以内にその対応をすべきだ。首相も官房長官も石川県知事も判断能力が欠如している。なぜか。社会経験が不足しているから。調査して、情報を集めて。本部会議を開いて・・。皆自分が判断すべきことを忘れて組織にすがろうとする。

リーダーとしての判断能力を持たない人間が組織のトップにいる。日本の悲劇だ。

一夜明けた首相の会見は「昨夜から全力をあげて情報収集に努めているが、道路寸断のため、能登半島北部地域への立ち入りが極めて困難な状況にある。上空からヘリで視察した結果、道路の寸断、土砂崩れ、火災等の被害が広範囲に確認された」だった。

そんなことは「能登半島で震度7強の地震」。この12文字で発生と同時に予測できることだ。

地震発生30分以内に聞きたかったのは、自衛隊大部隊の緊急派遣。救援物資と機材の運搬指示の言葉だ。それなのに3時間後でも「調査中」。まるで子供だ。もうええかげんにせんかいと思うが。

大阪の知事もまだ万博にこだわっている。この男も判断力が備わっていない。やはり社会経験の希薄さゆえ、なのか。自分で何かをするという経験不足なのか。万博資金も建設機材も労働者も全てを能登地震の復旧にすぐに振り向けるべきだろうが。

それをせずろくでもない万博にこだわり続けるのは政治家としての判断力の未熟さと心の貧しさだ。ついでに日除けの木材も、地震復旧に役立てて欲しいと提供すべきだろう。それなら、ろくでもない万博も日除けもまだ救われる。

 

日本はなんと政治の貧しい国なのか。政治家の心の貧しい国なのか。阪神淡路、東北、熊本など激甚災害に何度も見舞われた。それなのにいまだに避難所での生活、寒さ、トイレ、食料問題が深刻。米国から大量の高額武器を購入する金があるなら、激甚災害の避難生活に備え、数千トン、数万トンの避難生活船舶の複数建造くらいはできたはずだ。

どうしてそれくらいの備えをしないのか。考える頭を持たないのか。

いや、米国からの武器購入には個人的、組織的に大きな見返りがあり、避難船建造にはそれがないからなのだろうか。

裏金問題で自民党のアホ議員が逮捕された。安倍派なので親分が親分なら子分も子分か。これは政治資金規制法だけの問題でもない。どっちみち大金の裏金でこのアホ議員は夜の飲み食いを繰り返していたのだろう。議員資格のはく奪はもちろん、立候補も禁止。せめて裏金に重加算税と罰金を課し、このアホ議員に払った国からの交付金の弁済請求をすることくらいはしてくれと思うが。

政治資金問題を受け、自民党で政治刷新本部ができたそうな。解体本部、廃業本部の間違いなのでは。